調停調書に記載の内容を守らせるには

調停調書に記載の内容を守らせるには

調停調書に記載された慰謝料・養育費・財産分与・婚姻費用を相手に
支払わないことがあります。そういった場合に強制執行により支払を
確保することもできますが、費用がかかるので、簡単な手続で
支払義務者の履行を確保できるように、「委託制度」や「履行勧告」
「履行命令」等の制度が設けられています。

寄託制度

金銭の支払いの際に当事者同士顔を合わせたくなかったり、支払いの
名目で合った時復縁をせまるなどのことで直接金銭の授受をしたくない時に
利用する制度です。裁判所が双方の間に入り、支払義務者が裁判所に支払った
金銭を金銭を受取る権利のある側に通知・支払をしてくれるシステムです。
寄託制度を利用できるのは調停審判をした家庭裁判所ですが、受取る側の
住所に近い家庭裁判所を定めることも可能です。

内容証明

書留郵便の一種で、一定の書式(@誰がA誰宛にBいつCどういう内容の
手紙を出したか)で手紙を書くことで、郵便局がその内容を公的に
証明してくれる制度です。
 *事案、相手、タイミングなどを考慮する必要があり、それを間違えると
  逆に脅迫罪や恐喝罪になることもあります。なので、内容証明郵便を
  送付する時には文章力や法的知識も必要です。

履行勧告

家庭裁判所の調停や審判などでのとり取り決めを守らない人に対して、それを
守らせるために履行勧告という制度があります。

 

相手方が取り決めを守らない時に調停をした家庭裁判所に履行勧告の申出をすると
家庭裁判所では相手方に取り決めを守るように口頭や書面で説得したり、
勧告したりしてくれます。

 

履行勧告の手続に費用はかかりませんが、支払義務者がその説得や勧告に
応じない場合に支払うことを強制する法的な強制力はありませんが、権利者が
催促するより相手に精神的なプレッシャーを与えることができるので、
支払がスムースに行われるようになります。

履行命令

上記の勧告をしても支払義務者が支払いに応じない場合に、履行命令の
申立をすることができます。
これも法的な強制力はありませんが、勧告よりは強硬な手段です。

 

履行命令も調停をした家庭裁判所に申出をします。費用も殆どかかりません。

 

「履行命令」は「履行勧告」のような"勧告"ではなく、
「命令」なので履行命令に従わない時には、10万円以下の罰金が課せられます。

強制執行

債務名義を持っていても、それだけで自動的に強制執行をしてもらえる
わけではありません。強制執行してもらうには、相手(債務者)の住所地を
管轄する裁判所に対して差し押さえの申し立てをします。

 

この手続きは支払いを受ける者が自分自身で、
債務者の所有している財産を探しあて、
差し押さえる手続き
しなければならず、弁護士を代理人に立てて申立てをすることがほとんどです。

 

 *現金は強制執行をした時に、たまたまそこにまとまった現金が置いてあったという場合以外は、
  差し押さえることができません。
 *強制執行で効果的な回収ができなかったとしても、強制執行までの手段をとれば、
  相手が約束を破った場合には、こちらがそこまで徹底的に追求する
  心づもりであるという強い意志を伝える効果がありますので、相手に対して
  心理的な強制力が働くということは評価できます。

強制執行の種類について

強制執行の手続には「直接強制」と「間接強制」の2種類があります。

 

直接強制について(相手方の給料などの財産を差し押さえる)

裁判所が相手方の預貯金や不動産、サラリーマンの場合には給与や退職金、
ボーナスなどの財産を差し押さえて、支払を受ける権利のある側の人は、
そこから取立てをすることができる制度です。

 

給料の取立ての範囲は、一般的には1/4までですが、子供の養育費や婚姻費用
などについては1/2まで差し押さえることができます。

 

強制執行を行うことができるのは、調停離婚・審判離婚・裁判離婚・認諾離婚・
和解離婚となります。また、協議離婚についても、離婚時に「執行認諾文言付公正証書」を
作成していれば、強制執行の申立てをすることができます。

 

ただし、相手方に財産がなければ強制執行をすることはできないので、
申立てをする前に、相手方の財産状況を調べる必要があります。

間接強制について(平成17年4月1日からの制度です)

間接強制とは債務を履行しない義務者に対し、一定の期間内に履行しなければ
その債務とは別に間接強制金(ペナルティ)を課すことを裁判所が警告し義務者に
心理的な圧力を加え、自発的な支払を促すものです。
原則として、金銭の支払を目的とする債権(金銭債権)については、
間接強制の手続をとることができませんが、金銭債権の中でも養育費や婚姻費用の
分担金等、夫婦・親子・その他親族関係から生ずる扶養に関する権利については、間接強制の方法による強制執行をすることができることになっています。
 *養育費の支払とは異なり、定期的に支払時期が来るものに限りません。ただし、
  この制度は直接強制のように義務者の財産を直接差し押さえるものでは
  ありませんので、間接強制の決定がされても義務者が養育費等を自発的に
  支払わない場合、養育費や間接強制金の支払を得るためには、別に
  直接強制の手続をとる必要があります。また、義務者に支払能力がないために、
  養育費等を支払うことができない時などには、間接強制の決定がされないこともあります。

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調停調書に記載の内容を守らせるには、どういった方法があるのかについて説明しています。

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